
164
リチウム硫黄電池、硫黄、中間生成物
4-18
大型化も小型化も可能な
リチウム二次電池
実現すれば、大型化も超小型化も可能
リチウムイオン電池の大躍進の影で下火になっている、金属リチウムを
用いた二次電池(4-1)ですが、一部で研究開発が続いているものに、リ
チウム硫黄電池があります。
リチウム硫黄電池では、負極活物質に金属リチウム、正極活物質に硫黄
化合物、電解質は有機溶媒などを用いています(図 4-36、図4-37)。こ
の電池が実現すれば、大容量であること以外にも、硫黄が安価であるた
め、大型化の量産も可能になります。またリチウムイオン電池よりもエネ
ルギー密度が高くなり、ドローン用なども、より軽量の電池開発が可能と
なります。
電池反応による中間生成物
リチウム硫黄電池の実用化の課題には、まずデンドライト発生がありま
す。さらに放電時にできる中間生成物が電解質に溶け出して、電池を劣化
させる問題があります。
放電時、正極では硫黄がリチウムイオンによって還元されますが、反応
の途中で中間生成物である多硫化リチウムが電解質に溶け出してしまいま
す。溶けた多硫化リチウムイオンが拡散すると、負極で金属リチウムが酸
化され、一部が金属リチウムを被覆し、また一部が正極に戻って酸化反応
を引き起こします。その結果、電極の電気容量が減少したり、充放電の効
率が低下したりしてしまうのです。
こうした問題を防ぐために、セパレータによるデンドライトのブロッ
ク、固体電解質など新しい電解質の開発が進められていますが、未だに実