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空気亜鉛電池、補聴器、酸素
補聴器の中で長く
活躍している電池
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一次電池で最高のエネルギー密度
これまで化学電池の活物質といえば金属でしたが、電子の受け渡しが可
能であれば金属以外でもかまいません。そこで電池の外から活物質を取り
入れるという新しい発想で開発されたのが、空気亜鉛電池(空気電池)で
す。その歴史は古く、第一次世界大戦中フランスでルクランシェ電池に用
いる二酸化マンガンが希少金属だったため、1915 年にシャルル・フェリ
(仏)によって軍事通信機器用に発明されました。1920 年代に量産化され
ましたが、現在ではボタン形が補聴器用に使用されているのみです。
ボタン形の空気亜鉛電池は、1970年代後半にアメリカで発売され、
1986 年から日本でも生産が開始されました。空気亜鉛電池は、放電末期
まで公称電圧1.4V を保ちます(図2-21)。しかも一次電池の中でエネルギ
ー密度が1 番高く、補聴器のタイプによりますが100 〜300 時間は使用で
きます。
空気中から正極活物質を取り入れる
ボタン形の空気亜鉛電池の負極および負極活物質は亜鉛粉末、正極は活
性炭に二酸化マンガンなどの触媒を薄く付着させたもので、正極活物質は
金属ではなく、空気中の酸素です(図2-22)。電解質は水酸化カリウム水
溶液または水酸化ナトリウム水溶液を用います。
使用時には、電極の空気孔をふさいでいるシールをはがすと約1 分で放
電を開始し、一度はがすと放電は中止できません。負極では、アルカリ乾
電池や酸化銀電池と同じ、亜鉛の酸化反応です。正極では、空気中から取 ...