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ヨウ素リチウム電池、ヨウ化リチウム
2-15
ペースメーカーの中で
活躍している電池
安全性が高く、医療用で活躍
高い安全性が評価され、すべての人工心臓のペースメーカーで使われて
いるのが、ヨウ素リチウム電池(リチウムヨウ素電池)です。この電池
は、すべて輸入品で、国内メーカーは参入していないので、JIS規格の公
称電圧は決まっていません。コイン形と円筒形があり、放電末期まで一定
の電圧を保ち、使用温度は零下55 度から85度までと幅広いです(図
2-32)。
電池反応でセパレータ兼電解質が誕生
ヨウ素リチウム電池の構造は単純です。負極および負極活物質にリチウ
ム、正極活物質にヨウ素とポリビニルピリジンの混合物です(図 2-33)。
次の化学式は両極の酸化還元反応です。負極は、他のリチウム一次電池と
同様、リチウムの還元反応です。正極は、ヨウ素の酸化反応です。
負極:Li→Li
+
+e
正極:I
2
+e
→2I
全体の反応:2Li+I
2
→2LiI
リチウムの表面にヨウ素が接触すると、固体のヨウ化リチウムが生じ、
これがセパレータを兼ねた電解質として働きます。そのため接触面で直接
電子の受け渡しをするショートサーキット(内部短絡)も起こりません。
さらに画期的なのは、電解質が固体であることです。電池内に液体が含
まれていないため、液漏れトラブルの心配がありません。ヨウ素リチウム
電池は一次電池なので、固体電解質を用いた二次電池である全固体電池
(4-16)とは別種類です。