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リチウム、リチウム電池、リチウム一次電池
一次電池の王様
2-11
イオン化傾向最大のユニークな金属
1800 年のボルタ電池以降、負極活物質といえは亜鉛でしたが、20 世紀
後半に初めてリチウムを使った電池が登場し、これを総称してリチウム電
池といいます。
リチウムはイオン化傾向が最大で、最も酸化されやすく、電子を放出し
やすい金属です。そのため他のどの金属との組み合わせでも、リチウムは
必ず負極活物質となり、それまでのどの電池と比べても、電圧が高く、電
気容量も大きくなりました(図2-23)。さらに水よりも軽い比重0.53 の最
も軽い金属であるため、エネルギー密度も高くなり、小型で軽量の電池が
開発可能です(図2-24)。また自己放電を起こさないという利点もあり、
長期保存にも優れています。
しかし、水と激しく反応し、発火することもあるので注意が必要で、有
機溶媒中で使用しなくてはなりません。この有機溶媒は氷点下でも凍結し
ないので、結果として使用温度の範囲も広く、過酷な環境でも対応できま
す。リチウム電池の中でも、金属リチウムを使ったものをリチウム一次電
池といいます(図 2-25)。よく似た名称のリチウムイオン電池は、金属で
はなくリチウムイオンが用いられていて、スマートフォンやノートPCに
よく使われる二次電池です(第4 章)。
リチウム一次電池の歴史
リチウム一次電池は、1950 年代頃からアメリカで軍事・宇宙用として
開発されました。太陽電池が開発される前は、人工衛星やロケットに使わ
れてきたのです。日本では ...