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水素、エネルギー効率、多孔性の構造
5-3
大きなエネルギーの
カギを握る水素
水素は理想的な燃料
燃料電池で注目したいのは、燃料として水素を使うところです。水素は
電気を使って水から、石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタ
ノールなどのバイオマス、下水汚泥や廃棄物などさまざまな資源から作る
ことができます。また製鉄所や化学工場などでプロセスの中で副産物とし
ても水素が発生します(図 5-6)。水素は、燃やしても二酸化炭素など排
ガスを排出せず、大きなエネルギーとなります。この理想的な燃料である
水素を活用したのが燃料電池なのです。
例えば火力発電では、ガスを燃やして湯を沸かし、高温高圧の蒸気を作
り、それで発電機のタービンを回して電気を作ります。つまり熱エネルギ
ー、運動エネルギーを経て、やっと電気エネルギーを生み出します(図
5-7)。燃料電池では、燃料から化学反応で直接、電気エネルギーに変換さ
れ、途中のエネルギー損失が少なく、エネルギー効率がよいといえます。
単純だけど難しい化学反応
燃料電池の化学反応式は単純ですが、特に次の空気極(正極)での水素
イオン、酸素、電子の化学反応は、実際には難しい反応です。
空気極:4H
+
+4e
+O
2
→2H
2
O
水素イオンは液体、酸素は気体、電子は固体の中に存在しますから、
「三者が出合う場所」でしか反応は起こりません(図 5-8)。電流を大きく
するには、反応を起こす場所、つまり「三者が出合う場所」を増やすため
に、細かい穴の多い電極にする必要があります。細かい穴の中に電解質が ...