
マッピングの始動のしかたは他のプロジェクトの場合と変わりません。目
標や範囲を決め、費用や期間を見積もり、発表するのです。手間暇かける必
要はありません。ミーティングを1回開くだけで十分かもしれません。ただ
しスムーズなスタートが切れればそれだけ勝算も大きくなるものです。
この章では、マッピングプロジェクトの始動段階で私が過去にはまった落
とし穴や、そこで得た教訓も含めて、事前に自問自答して確認しておくべき
事柄やプロジェクト始動のコツを紹介していきます。
4.1
枠組みの設定
最近では、マネージャーやクライアントが、カスタマージャーニーマップ
を作ってほしい、エクスペリエンスマップが必要だ、などとダイアグラムの
種類まで指定して制作を依頼してくるケースが増えました。こういう場合は
始動も比較的楽です。
しかしそのように知識を持ち合わせていない相手にマッピングの必要性を
説いて納得してもらわなければならない場合、始動は難しくなるかもしれま
せん。関係者がマッピングの効用を認識しておらず、実際にマッピングを体
験するまで、マッピングがもたらす洞察の意義に気づかないのです。
また、プロジェクトの実際の作業に取りかかる前に、まずはどの程度の
フォーマル度が必要なのか、その度合いを見きわめ、決定権者に図った上で
開始の許可を取りつけることも必要です。
4.1.1
最適な度合いを見きわめる
マッピングのフォーマル度は、「手描きのスケッチ」から「詳細なダイア
グラムを使った議論」まで、さまざまなものが考えられますが、どのレ ...