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顧客のことがまるでわかっていない企業を前にして呆然とする
─
私はよ
くそういう経験をします。おそらく詳細な人
デモグラフィック
口統計学的データや顧客の購買
行動に関する広範な統計データは収集しているのでしょうが、顧客の根本的
なニーズやモチベーションを把握できていないのです。
その一因が「人間の言動は往々にして不合理」という現象です。人間は感
情や主観的な考えに基づいて行動します。「感情」も「主観的な考え」も、理
解や定量化が難しく、普通「ビジネス界の辞書」には載っていない概念です。
「顧客体験の理解」に興味を示そうとしない企業を、私は何社も見てきま
した。市場分析レポートの作成には進んで大金を投じるのに、現場へ足を運
んで顧客の言葉に耳を傾け、顧客の様子をじっくり観察するといった作業に
割く予算は微々たるものなのです。
問題は資金だけではありません。私がこれまでマッピングプロジェクトで
提携してきた企業の中にも、顧客体験の詳細な調査には及び腰という所が何
社もありました。製品やサービスに対する「絆
きずな
」を掘り下げるというのは非
常に厄介な作業なので、それを避け、代わりに経営効率だの目先の利益だの
に焦点を当てるわけです。
こうした「組織の自己満足」のパターンを打ち破るのが、エクスペリエン
スダイアグラムです。視点をインサイドアウトからアウトサイドインに転換
してくれます。もちろんダイアグラムを制作するだけで顧客に対する共感が
生まれるわけではありませんが、共感を育む効果のある対話を巻き起こし主