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章
戦略的洞察の可視化
リエンスを表現したダイアグラムです。この章では、そうした戦略面での洞
察の欠落をエクスペリエンスマッピングがどう補い、最終的には「戦略近視
眼を補正するメガネ」の役割をどう果たすかを解説していきます。
なお、この章の最後に、エクスペリエンスマッピングを拡張して戦略の可
視化を促進する効果のある補足的テクニックの概説を添えました。それも含
めてこの章を読めば、ダイアグラムがいかに私たちの視野を拡げてくれるか
がわかると思います。
3.1
価値認識の新たな視点
企業の経営環境はここ20 〜 30年間で大きく様変わりし、真に実権を握る
のは消費者、という時代になりました。「より有利な価格」「国内外の他の提
供業者」といった製品情報を消費者が容易に入手できるようになったのです。
そのため企業側は「市場からしぼり取れるだけしぼり取る」といった従来の
販売手法では成長を持続できなくなってしまいました。
いきおい、組織は発想の転換を迫られています。たとえば経営戦略の世界
的権威であるラム・チャランが、企業は販売に対する見方を逆転すべきだと
提言しています。著書『What the Customer Wants You to Know』で、価値創
出に関わる洞察の流れを逆転すべき状況を下のように図示しているのです
(図3-1)。
顧客に関わる洞察は「邪魔物」などではなく「戦略的チャンス」です。目指
すは「押し」ではなく「引き」。製品を売るのではなく顧客を買うのです。
これは従来の典型的な戦略上の意思決定とは正反対の考え方ですが、かと ...