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私は幸運な男です──というのも、これまでマッピングの専門家としての
職務を果たしてきた中で、クライアントの顧客にじかに接触する機会を数多
くもつことができたからです。さまざまな業界の何百人という顧客が、オ
フィスや工場、店や自宅で、マッピングの対象の製品やサービスを利用する
様子を観察し続けてきました。各人各様の文
コンテクスト
脈での体験を目の当たりにする
ことができたのです。
理想を言えば、マッピングの対象となる組織の構成員すべてが私のように
顧客にじかに接触できるとよいのですが、そんな立場にある人はそうそうい
ないでしょう。顧客サポートセンターの最前線の担当者でさえ、顧客体験の
ほんの一部分しか知り得ないのではないでしょうか。顧客は自分の体験の断
片を、文
コンテクスト
脈など一切抜きで訴えてくるケースが多いのです。これでは浜辺で
拾い上げた瓶に封じ込められていた手紙を読むのと同じです。
点と点をつないで全体像を浮かび上がらせるためには、もっと視野を拡げ
る必要があり、それに役立つのがダイアグラムです。とはいえ、ダイアグラ
ムの制作が最終目標なのではありません。むしろダイアグラムは組織の構成
員を議論に巻き込む手段なのです。そしてそうした議論を巻き起こすのが、
ほかならぬあなたの務めです。そんなわけで、ダイアグラムの制作・活用プ
ロジェクトのこの時点で、あなたの役割は「ダイアグラムの制作者」から「議
論を巻き起こすファシリテーター」へと替わります。
この章では、組織の構成員を一堂に集めて行う大切なイベントである ...