
249
カスタマージャーニーマップ(CJM:customer journey map)の正確な語
源は不明ですが、「ひとつの製品(サービス)に関わる複数のタッチポイント
を視野に入れて分析を進める」というこの手法の基本理念の原点は、元スカ
ンジナビア航空CEOヤン・カールソンが提唱したMoT(moments of truth:
決定的瞬間)というコンセプトにあるようです(MoTの詳細は2章を参照)。
カールソンは顧客体験を「ビジネスエコシステム全体を俯
ふ かん
瞰する視点」で検
討するべきだと主張しました。もっとも、そのためのツールがCJMをだと
明言していたわけではありませんが。
顧客がサービスや製品を利用する際にたどる経
ジャーニー
緯をマッピングするという
手法が生まれたのは1990年代に入り、顧
カスタマーエクスペリエンス・マネジメント
客体験管理に焦点が当てられる
ようになってからのことです。一例をあげると、顧客体験管理の第一人者で
あるルー・カーボーンとIBM の戦略研究担当ディレクターであったスティー
ブ・ヘッケルが、1994年に『マーケティング・マネジメント』誌で発表した
独創的な記事の中で「顧客体験のブループリント」を提唱し、これを次のよ
うに定義しています
─
「顧客体験の改善の手がかりを図示し、それにその
手がかりの特徴や効用も含めた詳細を添えたもの」。
2002年には米国の顧客体験の専門家であるコリン・ショーがモーメント
マッピングという手法を提唱しました
─
前述のヤン・カールソンのMoT
を彷彿とさせる名称です ...