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Chapter
05
良いサービスを提供するためには、そのサービスに関するあらゆる
経験やノウハウ、つまり「ナレッジ(知識)」を関係者間で共有し、活
用することも欠かせません。
これにより、「他の人が時間をかけて見つけたナレッジを、同じ時間
をかけて再度見つける」というようなムダを省くことができ、最適な
意思決定を実現することができます。
第
3 章の喫茶店のケーススタディでも、カオリ先輩のナレッジが共
有されていなかったので、どこに何があるかわからなかったり、人気
メニューのプリン・ア・ラ・モードを作れなくなったりして、アキラ
君達が苦労していましたね。ナレッジ管理が行われていないと、あの
ような事態に陥りやすいわけです。
ナレッジを管理するには ?
ナレッジを管理するためには、まずはデータや情報を収集し、記録
しておかなくてはなりません(
IT システムのイベントがログに出力さ
れるようにしておき、監視ツールを使ってそのログを
1 か所に集約す
る、ユーザーからのお問い合わせとその対応履歴を保存するなど)。
次に、それらの分析に基づく「ナレッジ」をまとめます。また、
IT
部門のメンバーをはじめとした関係者の属人的な経験やノウハウを文
書やデータベースに記録共有し、「組織としてのナレッジ」を増強する
ことも大事です(あるシステムの設定変更の際の失敗を共有する、作
成したテスト仕様書をテンプレート化して共有するなど)。
質の高いナレッジが蓄積され、適切な人が適切なタイミングでアク
セスできるようになると、ナレッジに裏打ちされた最適な判断、つま ...