
098
今回のお話で、アキラ君は「何か違う気がする」と感じたようです
が、その懸念はもっともです。なぜなら、「会計ができない」というイ
ンシデントに対して、臨時の対応(応急処置)しかしていないからで
す。言い換えると、インシデント管理はできているが、それしかでき
ていない、と言えます。
応急処置はもちろん大切です。しかし、この状況を続けているのは
得策ではありません。根本原因を取り除き、恒久対策を打つべきです。
ITIL では、インシデントの根本原因のことを「問題」と呼んでいます。
問題とは「
1 つまたは複数のインシデントの原因」(出典「ITIL 用
語および頭字語集」)
根本原因を取り除かない限り、インシデントは何度でも再発します。
今回の例で言えば、古いレジが壊れ、電卓での会計となるたびに、お
客様は待たされてイライラさせられます。もしかすると、その待ち時
間のせいで、大事な約束に遅れてしまうかもしれません。したがって、
しっかり調査してインシデントの原因を見つけ、解決策を適用して原
因を取り除かなくてはなりません。
これを「問題管理」と呼びます(図
3)。
今回の例ならば、「壊れやすい古いレジを使い続けている」のが根本
原因ですから、早急にレジを買い替えるべきでしょう。
なお、厳密に言えば、「再発防止」だけが問題管理ではありません。
まだインシデントが発生していない原因を事前に取り除いて予防する
ことも、問題管理です。
今回の例で言えば、買い替えたレジを定期的に点検し、メンテナン
スしてもらうなどの措置が考えられるでしょう。 ...