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1 章 なぜ顧客開発が必要なのか
製品が成功するカギは顧客が握っています。
どんなに製品が優秀でも、革新的で美しく、かつ手頃な価格であっても、顧客に購
入してもらえなければ失敗です。製品の開発に時間と労力を使いきってしまうのはナ
ンセンスです。製品と並行して顧客も開発すべきです。少なくとも製品開発と同じだ
けの時間を、顧客のニーズや課題を理解し、適切なソリューションを特定することに
使うべきです。それが顧客開発です。
「顧客とは誰か」「顧客は何を必要としているか」「顧客はなぜ、いかにして製品を
買うのか」についての想定を問い直すことが、ビジネスのリスクを減らすことにつな
がるのです。顧客を科学的に理解することによって、有効なビジネスモデルを確立
し、顧客が求める製品を開発しやすくなるのです。
素晴らしいでしょう?
でも理論は実践しなければ意味がありません。わたしがこ
の本を書いたのも、実践してもらいたいからです。リーンの考え方を十分に理解して
いながら、実践しようとしない残念な会社が、何百社とあります。
1.1
最初の課題はオフィス内にある
組織にとって顧客開発の考え方を受け入れるのは抵抗があるものです。
ほとんどの人は、顧客開発のコンセプトに対し、「我が社には長い経験と多くの製
品と何百万人もの顧客を通じて培ってきたノウハウがある。ゼロからスタートしろ
だって?
バカげているね」と反発します。
もちろん、本当に「ゼロからスタートしろ」などというつもりはありません。誤解
しないでほしいので、あらかじめいっておきましょう。顧客開発は、それまでのコン ...