
194
8 章 既存顧客がいる場合の顧客開発
に大きな抵抗を示したので、有益な反応を得ることはできませんでした。顧客との
関係への影響はさらに悪いものでした。顧客は、それまで使用し役に立っていた製
品からわたしたちが撤退しようとしていると恐れてしまったのです。わたしたちが
他の方向にイノベーションのエネルギーを向けてしまい、置き去りにされた製品を
抱えて立ち往生してしまうのではないかと不安になったのです。わたしたちは顧客
が抱いたネガティブな印象を回復させるために多くの時間を費やさなくてはならな
くなりました。
その後で、効果的であることがわかったのは、自社のアカウントマネージャーと協
力して「どの顧客が変化に慣れているか?」「どの顧客が積極的な関わりを示してく
るか(それが不満であっても)?」「どの顧客が将来の製品の方向性について頻繁に
尋ねてくるか?」を明らかにすることでした。わたしはこれらの顧客にアプローチ
し、自分たちが新たな方向性を模索していること、顧客から多くを学びたいと思って
いることを説明しました。
これと同じ方法を採用しているのが、定期購読課金機能のプロバイダーである
Recurly
です。同社はカスタマーサポートチームのインサイトを活用しています。「カ
スタマーサポートの人は、ベータ版の製品を受け入れやすい顧客や、特定の機能に興
味を持っている顧客を知っています。そのため、わたしたちはこれらの顧客に対し
て、初期のプロトタイプを提示したり、顧客が現行製品をどのように使っているかを
観察できるのです」 ...