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5 章 オフィスから飛び出せ
「お客様」という言葉は使わない
わたしがインタビューのなかで、相手を「お客様(customer)」と呼ぶ
のを避けているのに気づいた人がいるかもしれません。インタビューをして
いるとき、わたしは相手を「お客様」や「顧客」とは呼びません。顧客開発
の本なのに、奇妙ですね。
その理由はこうです。わたしはテーブルの向こうにいる人にインタビュー
の時点では自分を顧客だと思って欲しくないのです。相手は自分が顧客だと
思うと、交渉モードになってしまうからです。買い物をするとき値切り交渉
をしたことはありますか?売り手にこちらが買う意欲があることを示した
り、手の内を多く見せてしまったりすると、買い手は不利になります。売り
手は、買い手がその品を必要としていることに気づくと、価格を下げなくな
ります。このため交渉モードにある人たちは、多くを語ろうとしなくなるの
です。相手がそのようなモードになるのは、顧客開発の際には一番避けたい
ことです。
「まだ製品を持っていない」「何かを売ろうとしているのではない」と最初
に伝えている場合でも、「お客様」や「顧客」と呼ぶことで、相手は無意識
のうちに交渉モードになってしまいます。「あなた」や「人(たち)」などの
呼び方を使うことで、オープンな会話の感覚を保ちやすくなるのです。
5.13
インタビュー後
インタビューは製品開発のプロセスと同じように反復的であるべきです。最初から
うまくいくことはありません。インタビューで何を実施したのか、何が機能したのか
を評価し、うまくいかなかった点を修正し、こうすればもっと良くなるという点を改 ...