
4
1 章 なぜ顧客開発が必要なのか
あなたはこれらの大前提について既に考えてはいることでしょう。でもそれは思い
込みや仮説に過ぎません。起業するときや、新製品を開発するとき、既存製品への新
機能を追加するときにも、仮説は頻繁に発生します。
顧客開発では、仮説や思い込みが本当にその通りなのか徹底的に検証します。
1.3
リーン顧客開発とは何か?
「顧客開発」と「リーン顧客開発」の違いは何でしょうか?
わたしは、顧客開発に対する自分流のアプローチを「リーン顧客開発」と呼んでい
ます。ここでわたしは「リーン」を実用的、現場での使いやすさ、手軽さなどの意味
で使っています。
わたしは、リーン顧客開発としてスティーブン・ブランクのアイデアを踏襲しなが
ら、さらにスタートアップと既存企業のどちらにも役立つ簡単な方法を提案します。
わたしはリーン顧客開発についてのブログを書いたり、技術者が集まるイベントで講
演したり、企業に出向いて指導してきました。
リーン顧客開発は誰にでも行なえるものです。製品や顧客を持たないスタートアッ
プでも、多くの製品や顧客を持つ既存企業でも、同様に役に立つものです。
多くの会社で働き、スタートアップを指導してきた経験から、顧客開発に
1
時間
を費やすことができれば、文書作成、コーディング、設計の作業を
5
〜
10
時間以上
削減できると断言できます(図
1-1
)。これに加えて、それをしなかったことで生じ
る機会損失や、雪だるま式に複雑化するコード、誰も使わない機能を開発することに
よるチームの士気低下のように、数値化が難しいコストの削減にもつながります。 ...