
リスクを冒したいのか?
今あなたはバイクにまたがっている。目の前には巨大なスロープがそびえている。大観
衆が、エンジンが、あなたが大回転を決めるのを今か今かと待っている。もうちびりそうだ。
スタントマンとしての初仕事、おめでとう! あなたは、念願の舞台を勝ち取ったのだ。
あらゆる関連書籍を読破し、数ある講習を突破し、YouTubeの動画も全部見た。X(旧
Twitter)のプロフィールをスタントマン志望に変えて、念願の初仕事だというのに、準備
不足という気持ちが拭えない。
本 に 載 って い た のとは 全 然 違うバ イクだ 。 バ イク の ランプってこん な に 大 きかったっけ?
観 客 が うるさ い 。 チ ーム は み ん な 違 うことを い う。 メカ ニック は もっと 軽 い バ イク にしろと い
い、プロモーターは大きくないとだめだといい始めた。事前の打ち合わせでは、みんなが
太鼓判を押していたのに。ランプとにらめっこしてても埒が明かないと、助けを求める目線
をコーチに向けてみる。そしたらコーチのやつがこう言い放った。「大丈夫、計画通りに。
飛ぶだけだ。模型でうまくいってたしさ!」
なぜか、それでも気 分は 晴 れない 。
全然大丈夫なもんか。
バイクの模型が実践の足しにならないように、UXデ ザ インコース は 実 際 の ユ ー ザ ー が
抱えている問題解決には役立たずだ。抽象化されたUXは、本物のUXじゃな い 。 スロー
プの途中でバランスを崩しでもしたら……。