私たちはみな人 間
ユーザーや顧客、ステークホルダー、そして同僚の持つ人間らしさは、UXやビジネス、
そして本書全体を静かに貫く共通のテーマだ。結局のところ、UXもビ ジ ネスも 、 そしてプ
ロダクトも、人間にとってどう機能するかがなによりも重要なのだ。もし人々が皆、常に同
じように 振る舞ってくれるの であ れ ば 、ど れだけ 簡 単 だっただろう!
私たちはみな人間で、誰もが間違いを犯す。あなたも、そして私自身も例外ではない。
ただし、すべての間違いが同じ種類のものとは限らない。「間違い」にはいくつかの傾向
があり、それを見分けられるようになると非常に有益だ。
「間違い」の中には、正確でないとかうまく動作しないという類のものだけでなく、プロ
ダクトや会社を間違った方向へ進めてしまうという意味での間違いもある。たとえば、ユー
ザーに 聞 いたら好きと答える機能でも、実際には離脱を促したり、コ ストば かりが 増 えてビ
ジネス価値に結びつかないこともある。つまり、それは「間違い」ではないが……正解で
もない のだ。
私たちは時に、誰にも求められず必要ともされていないルールを 、 自 分 た ち に 課 してしま
うことがある。それをルールだと思い込むことで、より賢明な解決策を見過ごしてしまうの
だ。たとえば、デザイン系のインフルエンサーの発信に影響されすぎて、「ボタンはこうあ
るべき」と決めつけてしまうと、(たとえばスペシャルなボタンの 場 合に)より多くのユーザー
に視認され、成果につながりうる変 わったボタンをデザインする機 会を逃してしまうかもしれ
ない。確かに最新トレンドではないかもしれないが、それでも成果につながる可能性は十
分にある。しかも、そのルールは誰に課されたものでもなく、プロジェク