常に実用性を最優先せよ
一部の人々、特に中堅レベルの人にとっては、デザインには知的な活動としての側面
がある。私も、知的なデザインの議論には価値を感じている。しかし実務において、現
実のユーザーや制約条件の中で仕事をする際には、知的な優先順位が、しばしば誤った
判 断 を 導 い てしまう 。
この知的な優先順位にはさまざまな形があるが、その 1 つが「純粋性」という考え方だ。
「11 . ちょっと 寄 り 道 :リデ ザ イン 」で 戦略的な不一致について説明したが、これは一部
の人がやたらと重視しがちな「純粋性」という原則を破る行為でもある。たとえば、
Androidア プ リと iPhoneアプリは、通常ある程度見た目が異なっているべきだ! な ぜ なら、
それ ぞ れ 異なるOSであり、ユーザーがナビゲーションの位置などに対して異なる期待を
持 って い るから 。
しかし、たとえばちょっと知的な志向の強い開発者が、両方のアプリの見た目を同じに
すればコードの保守性が上がるし、デザインルールも1つに統合できて「純粋」になると主
張し始めるとしよう。そうした「純粋性」を重視する知的な原則は、非常に説得力があるよ
うに 感 じる か もしれ な い 。
現実の世界で、実際のユーザーに向けてビジネスを設計する際には、(理論よりも)課
題を最も実用的な方法で解決するという実用主義が勝るべきだ。理論的には「純粋さが
欠 け て い る 」ように 見 えても 、 ちょっと 見 た 目 が 異 なるア プリの ほうが 現 実 の 中 で はうまく機
能するのだ。
純粋性には、もう1つ の 形が ある。それは 、あらゆるユ ース ケ ース に 対 応しようとする 設
計だ。たとえそれが、本当に意味のあるユースケースで