真の競争優位性とは長期的なものである
ビジネスを牽引するプロダクト(あるいはサービス)の違いを語る際、マーケティング主導
のプロダクトと比べて最も根本的な違いの 1つは、それを長期的にどう考 えるか で ある。
マーケティング主導のプロダクトは、しばしば短命であることを前提にしている。永続的
に成長させることを意図していない場合もある。多くの場合、そのプロダクトの役割は、市
場で注目を集め、ブランドと強く記憶に残る体験を人々に提供することにある。そして、1
年や 2 年で終了してしまっても、それはそれで問題ない。私たちのようにそのプロダクトをつ
くる側にとっては物足りなく感じるかもしれないが、それも計画 のうちなのだ。
一方で、収益を主目的とするプロダクトは、時間とともに強くなる べきも の で あり、 そ れ
はより複雑なプロダクトやビジネスモデルを設計する上で、極めて重要な視点となる。
ネ ットワ ー ク 効 果 という言 葉を聞 いたことがあるかもしれない。それ は、 使う人が 増える
ほど価値が高まる仕組みのことであり、SNSなどが 典 型である。 2人しか 使 って い な け れ
ばつまらないが、参加者が増えれば増えるほど、そのサービスの価値は高まり、ユーザー
は 離 れ にくくなり 、 競 合 も 勝 て なくなる 。
ロックイン やス イッチ ン グコ ストも似たような概 念である。あるツールを使 い 始 めるだけで、
別のものに乗り換えるのが難しくなることがある。たとえばSlackの無料版は、企業にとっ
ての導入のきっかけにすぎなかった。しかし利用者が増えるにつれ、別のサービスへの移
行が難しくなり、結果として多くの企業がそのまま使い続けている、という状況が生まれる。
成功している企業の多 ...