
自分たちの都合を優先したくなる誘惑に抗え
社内向けソフトウェアにおいては、企業が購入者であり、同時に利用者でもある。だか
ら彼らの言うことを聞くべき理由が2 倍あるように思える。たとえば、上級管理職が設計や
開発チームの多大なリソースを必要とする機能を要求してきた場合、外部ユーザー向けの
新機能やユーザー調査よりも、そちらを優先したくなる誘惑に駆られるだろう。
だが、現実はさらに厄介である。もしあなたが、毎日顔を合わせる相手(隣の席の同僚、
給湯室で会う同じ部署の人)のために設計しているならば、彼らの要望は、遠くにいる顔
の見えない外部ユーザーのニーズよりもずっとリアルで切実なものに感じられるはずだ。し
かも、あなたの仕事に対してその同僚たちが「すごくいいね!」と褒めてくれたなら、つい
その期待に応えたくなってしまう。私たちは誰だって、甘くて気持ちの良い称賛を欲してい
るのだ。
だが、そこでこそ注意が必要である。優先順位は慎重につけなければならない。自分
が 生 み 出して い る( あ る い は 生 み 出 して い な い )価 値 に 対 して 、 厳しくあ れ 。
もしあなたが、社内ツールのバージョン 5をリリースしながら、外部向けプロダクトのバー
ジョン が まだ 2、という状況になっているなら、それはすでにバランスが 崩れている証 拠で
ある。健全なバランスを保つことは大切だが、リソースが限られているときには、常に外部
ユーザーを優先すべきである。なぜなら、彼らがいなければ、社内ツールだって