十分なユーザーがいなければ
デ ータは 意 味を 持 たな い
社内ツールに取り組む際、最大の弱点となるのがデータの不足である。本書を通じて
私は、ユーザー分析データの価値を何度も強調してきたし、ユーザー調査と組み合わせて
問題の診断や確率的な改善につなげるべきだと繰り返し述べてきた。
ただし、ユーザーが十分にいない場合は別だ。
アナリティクスは、ある程度まとまった、最低でも数百人のユーザー数があって初めて信
頼に足るデータを提供してくれる。ところが社内ツールの対象となる従業員ユーザーは、
たった 10 人や 20 人しかいないことも珍しくない 。すると、 1 人の行動が全体のデータに与
える影響が非常に大きくなる。数学的にいえば、これは統計的有意性が 不 足して い る 状
態であり、データの信頼性は極めて低い。つまり、この場合のデータには頼れないのだ。
データが使えない状況では、代わりに本書で紹介してきたような理論的な背景知識に強
く依存する必要がある。しかし、社内の誰かの意見を、データの代わりに使ってはならな
い!
では何を測るべきか? ユーザーの行動データではなく、ビジネスの成果を測定しよう。
たとえば、タスクあたりの作業時間、従業員 1 人あたりの生産量、従業員1 人 あたりの 売
上、月ごとのカスタマーサポート件数、といった指標だ。
23. 社内ツール