
新 た な 知 識 で は なく、
新 た な ス ピードとして 捉 えよ
AIに関わるときの最も危険な勘違いは、AIが本当は知らないことを「知っているはず」
と思 い 込 むことで ある 。
AIをどう捉えるべきか? 私がよく使う表現で言えば、それは「高度な計数マシン」であ
る。AIモデルの正体は、何を数えるか、どう数えるかという一連のルールにすぎない。た
とえば、単語同士の関係性を数えたり、人の映画の好みから100 項目にわたる特性をス
コア化したり、都市内の各地点で消費される電力容量を記録したりするかもしれない。し
かし、データに存在しないものは数えることができない。
私が見た中で最も的確かつ笑えるAIの表現は、ChatGPTを「究極のマンスプレイ
ナー
*1
」と呼 んだもの だった 。何 を聞 い ても、たとえ中 身 がまったくわかってい なくても、堂々
と長々と語ってくれる!
AIは確かに複雑な情報を処理し、有益な判断を下すことができる。だが、AIは、デー
タの中にすでに存在している情報しか扱えない。つまり、AIが新たな知識を加えるわけで
はない。このことはついつい忘 れ てしまい が ち だ 。
*1 訳 注 : マ ンスプ レイニング( Mansplaining)とは男性が女性や子どもに対して一方的に断定して物事を
語り続けることを揶揄した表現。
24. 機械学習、AI、デ ー タ プ ロ ダ ク ト