例外:膨大なユーザー数を抱える場合
数百万人、あるいは数十億人のユーザーがいる場合に、リサーチャーとしてどう向き合
うべきかを少し掘り下げてみよう。実際のところ、これは確率の問題になる。
一般論として、ユーザーの 60%に影響する事象は、20%に影響するものより価値が大
きいと言える。しかし、大きな問題をひと通り解決していくと、影響を受けるユーザーの割
合は急速に小さくなっていく。大多数のユーザーに影響する問題はごく一部であり、残り
はもっと小さなグループにのみ 影 響を与えるものだ。
これは割合で見た場合の話だが、絶対数で 考 え ると 意 味 が 変 わ ってくる 。 た と え 小 さ な
割合でも膨大な人数になることがあるのだ!
たとえば 、 ユーザ ー 数 が 1 万 人 の プ ロ ダ クトに お い て 、 1 万人に1 人しか影 響しない 不 具
合は、致命的なものでない限り修正の優先度は非常に低くなるだろう。しかし、ユーザー
が 10 億人いる場合、同じ割合でも10 万人が影響を受けるのだ!
この規模になると、データサイエンティストなどの専門家と連携してデータを分析すること
が確実に求められるし、実際にそうすべきだ。そうした問題は個々のデザイナーや、限ら
れたユーザーへのインタビューだけでは見えてこないからだ。場合によっては、数千人にイ
ンタビューしてようやく1 件見つかるかどうか、という類の問題なのだ。
ユーザー数が少なければ少ないほど、個々のユーザー調査に重きを置き、実際のユー
ザーと時 間をかけて向き合うべきだ 。なぜ なら、そのような状 況 ではデータはあてにならず、
扱う問題はより大きくて共通性の高いものになるからだ。一方で、ユーザー数が多くなれ
ばなるほど、よりデータや統計的分析に ...