私の場合:ユーザーからではなく
データから始めることが 多い
本書全体を通して、大きく2 種類の調査について述べてきた。ユーザーとデータだ。ユー
ザー調査は非常に重要で価値があるが、必ずしも最初に取り組むべきこととは限らない。
私は、可能であればまずデータから着手する。それには2 つの理由がある。
第一の理由は、ユーザーは人間であり、人間は時に予測できない行動を取るからだ。
たとえば、恥ずかしさから事実を隠したり、一部の情報しか話さなかったり、気分やモデレー
ターへの好感度によって答えが変わったりする。
もし最初に主観的で信頼性の低い意見から始めると、 そ の 後 のリサ ー チ で 多くの 解釈
が 必 要になり、すべてのプロセスに時 間が かかってしまう。
第二の理由は、データはアクセスしやすいという点だ。もし分析ツールでデータを収集し
ていれば、ログインするだけですぐに確認できる。許可を取ったり、他人の協力を得たり、
テストのスケジュール調整をしたりする必要はない。毎週チェックすることだって可能だ。
まずはデータから着手し、意味のありそうなパターンや例外を探そう。たとえば、他のペー
ジに比べて著しく多く(あるいは少なく)トラフィックが集まっているページ、滞在時間が長い
ページなどが挙げられる。また、フロー(ファネル)の中の特定のステップだけ著しく離脱
率が高い場合や、急激にトラフィックが増えたり、行動パターンが大きく乱れたりした日な
ども注目だ。特に、翌日にはすぐ平常に戻っているようなケースには、何かしらのヒントが
隠れている可能性がある。
そうしたデ ータ上 の パターン は 、 注 目 すべきポイントを 絞 ってくれる。 その上で、実際の
ユーザーに会い、そのデータパターンを生み出している要因に 焦