
微妙な差異を探索し続ける
クリックしようという意思決定の確率に影響を与える要因は他にもたくさんある。ユーザー
が意思決定するには、意思決定の準備が必要だ。当たり前のように聞こえるかもしれな
いが、ECサイトのトップページの中心に購入ボタンを据えるのは変だ。まだ何も購入する
準備ができていないのだから。そうではなく、購入を意思決定するために必要な情報をは
じめ の ページ に 用 意 するべきだろう。
UXの確率では、問題はどれくらいのユーザーに影響を与えているのか、といったことも
考 える 。 たとえちょっとした 問 題 だったとしても 、 1 億人のユーザーが毎日その問題に直面す
るなら、大きな問題に違いない。たとえば、Xの投稿を編集する機能がないことが当ては
まる 。 1つや 2つの打ち間違いではない。数十億もの打ち間違いが発生している。しかし、
機能追加を行わないビジネス上の理由(と、惜しむらくは技術的理由)があるのだろう
*1
。
UXの確率は、デフォルトについても扱う。選択肢 Aがデフォルトになっている場合、選
択肢 Aが 選ばれるほうに賭けるのがいいだろう。
確率はどこにでも顔を出す。本書のあちこちに、UX確率のエピソードを見出せる。
どの問題や機会が最も甚大な影響を与えているかはケースバイケースなので、一人一
人のわずかな違いの探索が必要だ。しかしアプローチ自体はど ん なときも 変 わらない 。
確 率 の デ ザインアプローチ がうまくい か ないとしたら、 実際の確率を無視しているのだろ
う。 ...