「優良顧客から非本質的な機能要求。
どう 対 応 す る?」
この問いに対するオフィシャルな答えは、前のセクションと同じだ。ただし、さっきは「共
感」という(高尚で、たいていの企業にとって関心の薄い)動機がテーマだったが、今回
はお金が動機だ。すると突然、ビジネス側がこの機能は絶対に必要だと口を出してきて、
誰もNOと言えず、まるで状 況が 変わったか のように思い 始めてしまうのだ。
私がこれまで働いてきた企業の中には、大企業や資金力のあるエンタープライズを顧客
にしているところも多くあった。そうした企業の中には、顧客から何か要求があるとすぐに
対応し、方針を変更してしまうところもあれば、「今後のロードマップで検討し、実施する場
合にはご連絡します」と伝える企業もあった。
前者の企業は、常に慌ただしく動き回り、他の顧客が必要としているかどうかに関係な
く、要望があるたびに計画を変更し、機能を追加していく。結果として、プロダクトは間違
いなく混乱したものになってしまう。一方、後者の企業は、できる範囲で要望をプロダクト
に組み込みながら、ごく例外的に、本当に価値の高い要望には特別対応する。基本的
には 、プロダクトのロードマップをプロフェッショナル に 管 理しながら、粛々と進 めていくの だ 。
しかし、本当の皮肉はここから。常に顧客の要望を聞き入れている前者の企業こそ、
当の顧客たちからひどく扱われることが多い! 後者のように毅然と対応する会社は顧客
にとって扱いづらい存在だと思われそうだが、実際はまったく逆だ! そして、前者の企業
は 常 に 顧 客 に 振り回され 続 けることで、ますます NOと 言 う の が 怖くなって いくの だ 。
現実のビジネスにおいて、顧客から「要望すれば何でもすぐに対応