大企業におけるUX
正直にいうと、大企業向けのUXを や っ て い る と 、 少 し 落 ち 込 む こ と が あ る 。 少 なくとも 、
スタートアップという苛烈な環境で育ってきた私にとっては、退屈に感じることが多い。でも、
大 企 業 に スタートアップ より 優 れ て い ることが あ るとしたら 、 そ れ は 時間の余裕かもしれ な
い。
大企業で働いている人がこれを読んだら、自分たちも忙しいし、成果を求められるプレッ
シャーは あると言 い たくなるか もしれ な い 。しかし、 そ の プ レッシャー の 原因は時間の不足
ではなく、組織構造の複雑さにあるのだ。
大企業は、その名の通り巨大組織だ! 従業員の数は多く、それぞれが中小企業に
比べてはるかに専門分化されている。その仕組みを動かすためには、膨大なプロセス、コ
ミュニケーション、プロジェクト管理が必要になる。つまり、大企業の人たちは、同じプロジェ
クトを進めるだけでも、小さな会社よりも多くの 作 業と会 話をこなさなけれ ば ならない のだ。
私 の 知る、とあるCEOによれば、チームの規模が16 人を超えると、実作業よりも組織
運営や調整に時間を費やす割合が増えると見積もっていた。大企業では、時には数百人
規模のチームで業務にあたることすらあるのだ!
小規模な企業では業務プロセスがシンプルで、意思決定も迅速だ。一方で、大企業は
構造が複雑で、動きも遅くなりがち。小さな会社では、あなたが1 人で多くの領域をカバー
することが求められるが、大企業では、業務の一部に専門的に関わることが役割になる。
大企業におけるUXの難しさは、正直なところ、デザインそのものには関係ないし、
VDPの話でもない! 難しいのは、チーム内の協働の仕方や