ディスカ バリー
VS
リサーチ
私はこれまでに、マネージャーを含め、誰一人ユーザー調査について学んだことがない
企業と仕事をしたこともある。そうした企業では、デザインプロセスの最初のステップとして、
競合を調べ、真似できそうなアイデアを探すことが一般的だ。彼らはそれを「ディスカバ
リー」と呼んでいる。
それはユーザーリサーチとは本質的に異なるものだ。
よりクリエ イ ティブ な デ ザ イ ン 領 域 、 た とえ ば UIのスタイリング やマーケティングデ ザイン
のような仕事では、多くの場合、「インスピレーション」に基づいた作業になる。そのため、
他のデザイナーが生み出した優れた事例や、最新のクリエイティブトレンド、巧みな工夫を
参考にすることは、非常に有効だ。どんどんやろう!
しかし、 UXはそうはいかないし、特にビジネス領域においてはなおさらだ。本書では
一 貫して 、 自社の状況、自社のユーザー、ユーザーの 固有のコンテキストから発見された
課題に基づいて意思決定を行うべきであると述べてきた。それなのに、なぜ他の状況に
基 づ いた 解 決 策を探しに 行くのだろうか?
競 合 を真 似したり、インスピレーションだけでデ ザインしたりすることは 、 ユーザー 価 値と
ビジネス価 値 のどちらも無視し、結果として自分自身の好みを 優 先 して い る に すぎ な い 。
しかも! もし、その真似している解決策が、競合企業にとってもうまくいっていなかった
としたら? 本末転倒だろう!