外 部サービスを活 用した
ユーザーテストについて
外部のユーザーテストサービスは、まるで神話に登場するセイレーンのような存在だ。便
利さと自動化という魅力的な歌声であなたを誘い、気づけばバイアスと複雑さの海へと引
きずり込まれていく。
外部のユーザーテストサービスを活用することには、いくつかの合理的な理由がある。
動画記録つきで結果を体系的に整理できたり、結果をチーム全体や関係者と共有しやすく
なったり。あるいは、経験の浅いUX担当者でも計画通りに進めやすくなったり、地理的
に遠い国や希少な言語のユーザーを見つける際にも役立つ。こうした目的であれば、外
部サービスの利便性は大いに活かすことができる。
外部サービスを利用する際には、いくつかのリスクもある。本書で推奨しているシンプル
な ユ ー ザ ー テ ストと 比 べ て 、 非常に高額なコストがかかる。テスト設計が不十分なままでも
手軽に回せてしまうため、手抜きのまま自動化されてしまう。参加者がテ スト慣 れ して い る
人であり、現実のユーザーとは異なるバイアスを持っている可能性がある。あるいは、自
分たちが本当に重視したい条件ではなくプラットフォーム都合の基準でユーザーが選ばれて
しまうなど だ 。
テストの自動化や大規模なテスト用ソフトウェアは、ユーザー調査の質を高めてくれるも
のではない 。これらはあくまで、 大規模な調査を簡単に行うための手段にすぎない。なぜ
自分がそれに費用をかけるのかを、きちんと理解した上で活用しよう。
34. ユーザーと働く