データの品質もまたUXの課題である
データを扱うプロダクトを設計する際、よくある落とし穴の 1つがデータ品 質 の問題であ
る。ユーザーとして最終的に触れるデータは、あらかじめクリーンアップされ、加工され、
丁寧に整理された状態になっているため、その裏でどれほどバラバラで厄介な元データが
あった か は 気 づ か れ な い ことが 多 い 。
たとえば 、 100 万社分の過去10 年間の財務データを扱うとしよう。10 年 分すべて揃っ
ているのは全体 の 30%程 度で、1 年分しかない企業もある。通貨の種類は25 通りに分
かれており、ある年 のデータは 数 値ではなくエラーとして記 録されている、といったことすら
ある。データが抜けている理由に法則性はなく、企業の所在国すら不明で、どの通貨な
のかをあなたが推測せざるを得ない場合もあるのだ。
これらはすべてデータ品質の問題であり、直接的にはデザイナーの責任ではないかもし
れ ない 。しかし、 それらすべ てをうまく扱うプロダクトを設計するのは、まさにあなたの仕事
なのだ。
たとえば、ある日本企業の財務データから4 年分だけを表示したい場合に、そのうちの
1 年分が欠損していたらどうするか? さらに、データ欠損はないが、ドル建てで数字が何桁
も小さいアメリカ企業のデータを同じ表で比較させたい場合、どう表示したらよいか?
あなたが「ただ」財務データを表示するだけのつもりで設計したシンプルなアプリが、突
然とんでもなく手間のかかる問題に見えてくる。そして実際にそうなのだ!
もし、こうしたデータ品質の問題にきちんと向き合う(データサイエンティストとじっくり時間
をかけて協働しようとする)姿勢を持たなければ、本質的な解決につながるデザインなど
到 底 できるは